スキがない総長の大胆な溺愛
「杞憂?」

「取り越し苦労だよ。心配するだけ無駄だったって事。

だって、」


夜野には、君がいるでしょ?


「最強の相棒を見つけられたんだ。君は夜野にとって強みで、希望だ」

「っ!」



――君の名前は【ひなた あかり】でしょ?太陽の光、そのものだ。

――だからね、夜の俺を照らしてくれるかなって、そんな事を思ったんだよ



蒼羽は、確かに。そう言った。



「私、最低な理由で蒼羽に近づいたんです…っ」

「そうか…そうなんだね」



だけどね、と春風さん。



「近づいたのがどんな理由であれ、大事なのは…君が今、夜野をどう思ってるかじゃない?」

「私が…蒼羽を…?」

「うん。君にとって夜野はなに?」



もう会えないかもしれないって思った時…どう思った?



「……」



春風さんからの質問に、私は黙ってしまう。

そして、さっきまでの出来事を、走馬灯のように思い出していた。

すると春風さんが「はい、着いたよ」と私の肩を叩く。



「え、あれ?」
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