スキがない総長の大胆な溺愛
「証言者によると、俺を追いかけるためにフェンスをよじ登ろうとしたらしいよ」

「えぇ⁉」



さすがにデマでは⁉

と思ったけど、そう言えば美月さんも「危険だと承知で背中を押してもらった」って言ってたし…。本当の話なのかな…。



「やっぱ美月さんには憧れます…」

「そう?君も負けてないと思うよ」

「ほ、褒めてますよね?」



っていうか…



「ずっと不思議でしたけど、私が昔の美月さんと似ているから、優しい喋り方なんですね?」

「うん。つい出ちゃった」

「(つい出ちゃった)」



素直そうな、人畜無害そうな人柄がにじみ出ていて…

さっきまで恐怖のオーラを纏った彼と本当に同一人物なのかと…私の頭が真っ白になる。



「本当…美月さんの事となると、春風さんは雰囲気がガラッと変わりますね」
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