とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
「お礼を言うのは俺の方だ。学生時代の思い出は一生消えない。大事にしてくれた人にはちゃんと恩を返したい。それで……今日、お前を呼び出したんだ」


「えっ?」


急に真面目な顔になり、私も思わず背筋がピンと伸びた。


何を言われるの?


聞きたいけど、ちょっと怖いよ。


「この前、琴音の言葉が気になって、申し訳なかったけど色々と調べさせてもらった。そしたら、うちのホテルの繋がりの会社で、おじさんの工場のことを知ってる人がいた」


「えっ、そ、そうなんだ」


「ああ。とにかく色々複雑な事情があるにせよ、今の経営状態では工場を閉鎖するしかなくなる。それもかなり近いうちに」


「そんな!」


「おじさんは琴音には言えないんだろう。心配かけたくない気持ち、すごくわかる。でも、早急に資金を調達しないと」


ますます真剣さを増していく龍聖君の言葉。
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