とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
龍聖君は、さらに顔を近づけようとする。


照明が薄暗いからって、こんなの反則だよ。


「……て、提案?」


「ああ。俺は、両親から結婚を急かされてる。お見合いの話もたくさんあって困ってるんだ。正直、恋愛なんてしてる場合じゃないし、誰も好きにはなれない。そして、琴音は工場をつぶしたくない。おじさんやおばさんを安心させてやりたいと思ってる。それにはお金が必要だ」


龍聖君、何が言いたいの?


「う、うん」


「お互いの利害が一致してるだろ? 2人とも両親を安心させたいって気持ちがある。それに俺は琴音の両親に恩返しもできる。だから……」


「だ、だから?」


「俺と琴音が結婚する」


えっ!?


け、け、結婚?


何を言い出すの、龍聖君おかしくなった?


「お互い、相手の思いを汲み取って、結婚という名の契約を結ぶ。まずは1年間」


「け、契約結婚するってこと?」
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