とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
「ああ。両親にはそんな約束があることは伏せておく。それから先は……まあ今は考えないようにしよう。どう? こんな名案は他にないと思うけど? もちろん、助けてくれる彼氏がいないなら……の話だけど」


そう言って龍聖君はグラスを唇にそっと押し当てた。


あまりに突然の提案。


何が何だか整理できない。


「か、彼氏なんていないよ。私に彼氏なんかいるわけない。それに、契約結婚だなんて、そんなこと」


「彼氏、いないんだ……本当に?」


「えっ、どうして?」


「いや、この前、琴音が男性用のパジャマを買ってたから。あれは……彼氏への贈り物なのかって……」


龍聖君、あのパジャマは彼氏へのプレゼントだと思ってたの?


「違うよ。全然違うから。あれはね、お父さんの誕生日に渡そうと思って買ったものだよ。今の私に彼氏なんているわけないじゃない」


「だったら……良かった。誤解して悪かった」
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