とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
「身分なんて一切関係ない。そんなこと絶対に気にするな。それに……」


「……それに?」


しばらくの沈黙の後、


「俺のマンションにくればいい」


龍聖君はポツリと言った。


「い、一緒に住むの? だ、だって……」


「何がだってだ? 俺と一緒は嫌?」


まさか「嫌なわけがない!」そう心の中で即答した。


「……私、よくわからなくて、どうすればいいのか」


「今はお互いの両親のことだけを考えよう。とにかく、1年間は夫婦として過ごす。それでいいよな?」


龍聖君、今日は何だかすごく強引だよ。


偽物の夫婦、契約結婚……


1年間、私達は本当に夫婦のフリをして過ごすの?


ねえ、龍聖君。


あなたに気持ちはなくても、私はまだしつこく忘れてないんだよ、あの夜のことだって……


そんな状態でひとつ屋根の下で暮らすなんて、私の感情はいったいどうなってしまうの?


何もなく平然としていられる自信がないよ。
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