とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
私、今、何かが外れた。


私だけじゃない、その音は2人から聞こえて、すれ違っていた時間を隙間なく埋めるように激しく求め合った。


どうしようもないくらい、狂おしく、淫らに。


「今夜はお前を愛し抜いてやる。止めてって言われても絶対止めないから覚悟して。いい?」


耳元で囁く吐息混じりの声に体が疼き出す。


「…止めてなんて言わない。龍聖君だって、疲れたなんて言わないでよ」


「言うわけないだろ?」


「だったら、今夜は私を死ぬほど気持ち良くさせて…龍聖君になら何をされても構わないから」


どうしたんだろう、嘘みたいに大胆な自分がいる。


私の中に別の人がいるのかと思うくらいだ。


きっと…


おかしくなったんだね、私達。


あまりに長い間、本当の気持ちを隠してきたせいで…


「綺麗だ…琴音のこの体、他の誰かに見せたら許さないから。こんな色っぽい体を見たら、男はみんなダメになる。骨抜きにされて…必ず虜になる」
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