とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
「残念だわ。でも私も一人暮らししてて、何かと寂しくしてるんです。ここの百貨店で働いてるんで、またいつでも声をかけて下さいね。琴音よりは楽しくお話のお相手ができると思いますよ」


口角を上げ、真っ直ぐ龍聖君に視線を送る涼香姉さん。


龍聖君には姉さんがどう写ってるの?


やっぱり……美人だと思ってるのかな。


「ありがとうございます。すみません、そろそろ行かないと。人を待たせていますので。じゃあ、これで失礼します」


龍聖君は、サッと立ち上がった。


「あっ、うん。ごめんね」


「またな」


「龍聖さん、またお会いしましょ」


ニコッと笑って頭を下げ、いいって言ったのに、お会計まで済ませてくれた。


私と、涼香姉さんの分も。


「ねえ琴音、どうしてここまで来て顔を出してくれなかったの?」


龍聖君がいなくなったとたん、明らかに声のトーンが変わり、不機嫌そうに言った。
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