好きな人の婚約が決まりました。好きな人にキスをされました。
「生意気を言って申し訳ございません、陛下。
けれど母は、父のことを心から愛していました。『貴女のお父さまは本当に素敵な人なのよ』っていつも嬉しそうに口にしていましたし、わたしにも『自分の父親を誇りなさい』って言ってくれて――――ですから、放って置かれただなんて思っているはずがありません」
メアリーが真っ直ぐにステファンを見上げる。
国王を相手に意見をするなど、どれほど勇気のいることだろう。
けれど、メアリーは言わずにはいられなかったのだ。それほど強い想いなのだ。
そうと分かっているからこそ、ステファンの瞳に涙が滲む。
嬉しくないはずがない。けれど、こんな情けない姿を誰にも見られてはいけない――――彼はほんの少しだけ目を伏せた。
「母が亡くなってしまったのは仕方がないことだったんです。誰のせいでもありません。
ですから、父のことをそんなふうに仰らないでください。
わたしも、母も、父のことが大好きなんです」
ああ――――ダメだ。
18年間ずっと、完璧でいようと努力してきた。メリンダの望む自分でいようと決めていた。
けれど、メリンダの想いをこんな形で聞かされて、平気でいられるはずがない。
ステファンの瞳から涙が零れ落ちた。
けれど母は、父のことを心から愛していました。『貴女のお父さまは本当に素敵な人なのよ』っていつも嬉しそうに口にしていましたし、わたしにも『自分の父親を誇りなさい』って言ってくれて――――ですから、放って置かれただなんて思っているはずがありません」
メアリーが真っ直ぐにステファンを見上げる。
国王を相手に意見をするなど、どれほど勇気のいることだろう。
けれど、メアリーは言わずにはいられなかったのだ。それほど強い想いなのだ。
そうと分かっているからこそ、ステファンの瞳に涙が滲む。
嬉しくないはずがない。けれど、こんな情けない姿を誰にも見られてはいけない――――彼はほんの少しだけ目を伏せた。
「母が亡くなってしまったのは仕方がないことだったんです。誰のせいでもありません。
ですから、父のことをそんなふうに仰らないでください。
わたしも、母も、父のことが大好きなんです」
ああ――――ダメだ。
18年間ずっと、完璧でいようと努力してきた。メリンダの望む自分でいようと決めていた。
けれど、メリンダの想いをこんな形で聞かされて、平気でいられるはずがない。
ステファンの瞳から涙が零れ落ちた。