もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 美里はおもしろそうなものを見る目で俺をまじまじと見つめた。

「私といるところを奥さんに見られたから、気まずくなっちゃったんでしょ」

「人聞きの悪い言い方をするな。君との関係は幼い頃に一緒に育った程度のものだろう」

「おかしいなぁ」

 辺りに誰もいないのをいいことに、美里がその場にしゃがむ。

 そして膝を抱えて俺を見上げ、楽しげにくすっと声を上げて笑った。

「幼馴染とくっついてそのままゴールインって王道じゃない。どうして私とはそうなってくれなかったの?」

「俺は君を好きではないし、君も俺にそういう感情を持っていないはずだ」

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