もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 ソファとダイニングテーブル。いくつかの棚と大画面のテレビ。生活感がないのにものだけが整っているさまは、モデルルームを思わせた。

「適当に座っていろ。荷物を置いてくる」

「わかりました」

 優史を抱いたままソファに座り、落ち着きなく辺りを見回す。

 ダイニングとキッチンを隔てるカウンターには、メモ帳やボールペンといった文房具が置いてあった。

 本来は料理を並べてダイニングに運ぶのだろうが、その用途で使われた形跡は見られない。

 たしかにここは家なのに、蒼史さんがゆっくり身体と心を休めている姿が思い浮かばない。

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