もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
「え?」

 彼があの子というのは優史のことで間違いないだろう。

 だけどなんだか奇妙な提案に思えた。

「夫婦らしくしないと悪影響……でしょうか」

 むしろ偽物の夫婦なのに、嘘をついている方がよくない気がする。

「そうだ。両親が不仲の家庭環境で健全に育つとは思わない」

「それは……たしかにそうですね」

「だから俺が触れても逃げるな」

 言いづらそうにつぶやいた蒼史さんが視線をさまよわせる。

「俺は君に触れるし、君もしたかったら好きなようにしてかまわない」

 そういう意図があったから、彼は前もってふたりで眠るための広いベッドを用意したのだろうか?

< 141 / 281 >

この作品をシェア

pagetop