もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 初めて愛し合ったあの夜と同じ情欲が急いた手つきから伝わってきた。

 練習なのにまるで本気で私を求めているみたいだ。

「練習ならがんばらなきゃいけませんよね」

「……ああ」

 握っていた手をほどき、彼の背に腕を回す。

「……嫌じゃないです、から」

 一瞬、蒼史さんが息を呑んだ。すぐにキスを再開し、私を甘い波にさらう。

 あの夜、私は夢でもいいと思った。

 だけど今はこれが現実であってほしいと思っている──。



 思いがけず肌を重ねた私たちは、ついさっきまで感じていた熱から目を逸らした。

「身体は大丈夫か」

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