もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 私を翻弄するキスは眩暈がするほど甘く切ないのに、彼の答えは感情を押し殺した素っ気ないものだった。

「手術の後で気持ちが高ぶっていたんだ」

 付け加えられたひと言は、私の胸に『やっぱり』と納得する気持ちと『そうだよね』という寂しい気持ちを生み出した。

 あの夜は愛があったわけじゃなくて、たまたま私が彼の手の届くところにいただけ──。

「じゃあ……今は?」

 蒼史さんの指が服のボタンにかかったのを感じながら再度尋ねる。

 彼は一瞬動きを止めてから、微かに眉根を寄せた。

「これは夫婦として愛し合う練習だ。……そうだろう?」

「あっ……」

 再び蒼史さんが私の服を脱がし始める。

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