もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
「……自分勝手ですよ」

 廊下から姿を消した蒼史さんに向かってつぶやく。

「本当に自分勝手です……」

 まだ彼に言い足りなかったけれど、優史の泣き声が聞こえたせいで叶わなかった。



 約束通り、私は日曜日に優史を連れて蒼史さんと彼の両親のもとへ向かった。

 結婚してから長い時間が経つのに、まったく接点がないのは常々気になっていた。

 私がご挨拶をと言っても、蒼史さんが理由をつけて拒んだからだ。

 私が義両親について知っているのは、義父が心臓外科医で義母が脳外科医ということ、そしてその道では大変有名で、ときには海外を飛び回るほど優秀な医者だということだ。

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