もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 蒼史さんも蒼史さんで、言葉はきつく聞こえるけれど、なんとなく強く出られないでいる空気を察する。

 私がおとなしく観察していると、ちょこちょこ歩いていた優史が彼女の服に手を伸ばし、掴んだ。

「こら、ユウくん。どうしたの」

「こわいこわい」

 優史が不安そうな顔で彼女が身につけたエプロンを指さす。

 そこにはかわいらしいウサギの絵が描かれていた。

「ん? 怖いですか?」

 しゃがんだ彼女に顔を覗き込まれ、優史が私のうしろに隠れる。

「すみません、ウサギが苦手なんです。怖いみたいで」

「あらま。じゃあ違うエプロンに着替えた方がよさそうですね」

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