もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 彼女は私にも気さくに話しかけると、こわごわ様子を窺う優史に向かって手を振った。

「怖い怖いはおばちゃんがやっつけておくからね。大丈夫よ」

「やっつける?」

「うん、ぎゅーってしてぐるぐるぽーんってしちゃう」

 それを聞いた優史がほっとしたように微笑し、首を縦に振った。

 初めての場所と人物に緊張しているからか、いつものイヤイヤモードにはならないようだ。

 どちらかというと、蒼史さんの方が不機嫌そうに見える。

「着替えるならもういい。どうせ客間にいるんだろう?」

「ええ、もうお待ちです。……でも、本当にいいんですか?」

 心配する様子が気にかかる。

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