もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 泣きじゃくる優史をきつく抱きしめ、迫りくる衝撃に備えて目を閉じた。



* * *



「八柳先生、緊急の受け入れ要請です!」

 普段に比べれば比較的穏やかだった一日は、突如入った連絡によって終わりを告げた。

「市バスの横転事故だそうで……!」

「当直の岡本先生と中本先生を呼んでください。先にこちらで対応します」

 蒼白になっている看護師に伝えると、幾分落ち着きを取り戻したようだった。

「もうすぐ救急車が到着するようです。よろしくお願いします!」

 状況はまだはっきりしていないが、バスの横転事故となると小さな事故とは呼べないだろう。

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