もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
『悩んだときには、救急安心センターに電話をかけろ。状況を聞いて救急車を呼ぶべきかそうでないか、向こうで判断してくれる』

 なんの話をしたときにその話題になったのかは覚えていない。

 四年も前の会話だったのに、私は彼から聞いた番号をまだ覚えていた。

「ユウくん、もうちょっと待っててね。大丈夫だからね」

 泣きわめく息子を抱き寄せてなでながら、震える手でスマホに番号を打ち込む。

 大和はいないし、私しか優史を助けてあげられない。

 今ほど蒼史さんの存在を切望したことはなかった。



「熱のせいで扁桃腺が腫れていました。そのせいで耳を痛がっていたようですね」

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