もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
「どんなクーポンでしょう? 一緒に探してみますか?」

「あんたが盗ったんじゃないかい?」

「え?」

 予想外の質問は私の思考を完全に停止させた。

「いつもうちの周りをうろうろして、怪しいと思ってたんだよ」

「そんな、私はなにもしていません。今、お会いしたのが初めてですし……」

「嘘をつくな! この間、車にいたずらしたのもあんただろう!」

 否定すればするほど、彼は厳しい表情になっていく。

 どうしようかと焦りを感じたときだった。

「徳島さん。ご家族が病室でお待ちですよ」

 背後から艶やかな低い声が聞こえ、驚きで硬直する。

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