もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 彼の妻になりたいし、優史の父親にもなってほしい。

 でもこれはよく考えて決めなければならないことだ。

 四年前、彼に愛されたい想いだけで受け入れた結果、優史に父親のいない人生を押しつけることになったのだから。

 病院のスタッフが忙しそうに廊下を行き交う姿を見ながら、壁にもたれて呼吸を整える。

 優史にとって一番いい選択をしなければ。

 あの子を宿した夜を間違っていたと思う日は一度もなかったけれど、あの選択は正しかったのだろうかと何度も自問自答を繰り返した。

 もしかしたらいまだに出ないその答えをついに手に入れる機会が来たのかもしれない。

「……決めなきゃ」

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