もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 やりきれない思いでしばらく過ごしていると、廊下を通りかかった蒼史さんが私に気づいた。どうやら大和との話は終わったらしい。

「来ていたんですか、織部さん」

「はい。先生とお話中だったようなので、お邪魔してはいけないかと思い……」

「それは申し訳ないことをしました。ですが今は病室に行かない方がいいでしょうね」

 蒼史さんは理由を言わず、出てきたばかりの病室をちらりと見やった。

 さっきの大和の様子を聞く限り、たしかにすぐ会いに行かない方がよさそうだ。

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