おとなり契約結婚〜幼馴染の小児科医が推しを盾に結婚を迫ってくる件〜
「さてはまた夜更かしするつもりだな?」
図星を指され、ギクリと肩を揺らす。実は引っ越しの手伝いをしていた午前中、予約していた公演のDVDが宅配便で届けられたのをバッチリ目撃していたのだ。
届いたのなら早く見たい。引っ越しの手伝いをしている間は我慢したのだから、少しぐらい大目に見てほしい。
「ほ、ほら!おばさん達が出て行ったばかりで、客間は寝られるような状態じゃないでしょ?布団もないし!」
客間には洋介の書斎にあった本がまだうず高く積まれていた。多すぎて一度に全て持っていくことができなかったのだ。
客人用の布団一式は新居で使うと言って珠江達が持っていってしまった。
千春が寝られるような寝具はおろか空き部屋もない。
しかし、どれだけ自分の行動を正当化しようと香月は納得しなかった。
「俺の部屋で一緒に寝ればいいだろう?よし、ちょうどいい。これからは毎日そうしよう」
「え!?」
香月はひとりでうんうんと頷くと、鼻歌交じりでフライパンを洗い始めた。千春が夜更かしできないように監視する魂胆だろう。
(余計に眠れなくなりそうなんですけど……)