おとなり契約結婚〜幼馴染の小児科医が推しを盾に結婚を迫ってくる件〜
「うーん……。この調子だと生まれてからも大変そう……」
子供の性別はもうわかっている。ヅカオタの祖母と母の意思を反映したかのように女の子だった。
(まさか本当に女の子が宿るとは……)
コガネジェンヌにするというは半分冗談で、元気に生まれてくれれば性別にこだわりはなかったはずだが、やはり嬉しい。
目下の問題は柳原こどもクリニックの跡継ぎのことだ。
「お医者さんとコガネジェンヌ、どっちも目指してみる?」
そう尋ねると返事をするようにお腹を内側から蹴られた。
女の子とは思えないほど胎動が激しめだ。将来、大物になる予感!
「ふふっ、今日も元気だね」
千春はヨシヨシと膨らんだお腹をさすった。
生まれてくる我が子に早く教えてあげたい。
あなたは世界で一番『特別』な存在なのだ、と。
おわり