おとなり契約結婚〜幼馴染の小児科医が推しを盾に結婚を迫ってくる件〜

 早速試着してみると、想像以上にグッとくるものがある。あのコガネジェンヌと同じドレスを着られるなんて!

「どう?いいでしょ?」

 大小様々なシルクのクイーンローズが、胸元から裾まであしらわれたプリンセスラインのドレスは華やかでボリュームがありながらどこか上品な印象だ。
 千春は鼻高々で試着室から出てきた。
 
「そうだな。似合ってる」
「心がまるでこもってなくない!?」
「ちぃは何を着ても可愛いからな」

 歯の浮くようなセリフだが、香月のそれは子供を愛でる母親の発言と同じだ。七五三の衣装を褒め称える爺婆の心境とも言える。

 憧れのコガネジェンヌゆかりのドレスを着用し否応がなしに興奮する千春とは対照的に、香月はどこか冷静だった。

 ドレスの他にも今日の内に細々としたレンタル品を決めなければならない。二人はあーだこーだ言いながら着々とウェディングフォトの準備を進めて行ったのだった。

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