おとなり契約結婚〜幼馴染の小児科医が推しを盾に結婚を迫ってくる件〜

「次の検診はいつも通り半年後でいい?予約しておくよ」
「はい、お願いします」
 
 佐久間はそう言うとマウスを操作し、次回の診察予約が記載された紙をプリントアウトした。

「職場を変えてから調子はどうだい?日常生活で困ったことはない?」
「仕事は大丈夫なんですけど……」

 千春は意を決して佐久間に尋ねることにした。
 
「あの……。先生にお伺いしたいことがあるんです!」
「なんだい?」
「私、結婚したんです」
「あ、そうなんだ。おめでとう」
「それで……その……。夫婦の夜の生活のことなんですが……」
「ああ!そういうことね」

 千春がもじもじしていた理由を察した佐久間は、安心させるように微笑んだ。
 
「身体に負担のかかるような激しいプレイをしなければ性交は問題ないよ。あとはパートナーに自分の身体のことをきちんと伝えて労ってもらいなさい」
「あ、それは大丈夫です。私よりも私の身体のことを気にしてくれる人なので」

 千春がそう言うと佐久間は電子カルテを食い入るように眺め始めた。受付をする前に手続きしたので加賀谷から柳原に苗字が変わっているはずだ。
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