毒舌な航空自衛官は溺れる愛を捧げたい
「……そうか。でも、そうだな。機体に乗るということは下手したら命を落とす危険もあるから。おまえの場合はあきらかな空間失調症だったし、そのまま一人で操縦なんてした時には下手したら死んでるぞ」
「……そ、そう……だったんですか」
「ああ。俺は柏に生きていてほしかった。それで、別の、違う道で幸せになってくれたらいいなって思ってたよ」
一度パイロットの道を閉ざされてしまえば、もう、パイロットの道に進むことはできない。ぐっと唇を噛み締め、感情をおし殺す。
教官は私のことでずっと罪悪感を抱いてきたんだ……なのに、私は自分のことばかり。教官が夢に出てくるのだって、自分の都合良く、責任を押し付けたかったのかもしれない。
――私は最低だ。
私なんて、パイロットになれなくて当たり前だ。私はパイロットになるべき人間ではない。
それに、教官の言う通り、下手したら命を落とす危険性もある。
飛行中はどうしてもGがかかる。どうしたって根性との勝負になる。
あのまま飛行していれば、間違いなく私は死んでいたかもしれない。