毒舌な航空自衛官は溺れる愛を捧げたい
「それは柏がそう思ってるからだろ」
昴さんは真剣な顔で返してきた。
それも多少はあるけど、私の気持ちは昨日と違う。全然違う。昨日まで私は昴さんに対して良い印象はなかった。けれど、一日いただけなのに、私は昴さんのことを好きになった。
「勝手に俺の気持ち決めんな。俺も柏の気持ち勝手に決めつけたりしないから。そうやって言葉を伝えずにすれ違うのが一番嫌だ」
昴さんの言うとおりだ。私も、私の気持ちを勝手に決めつけられたくない。
「昴さんは、そうやって過去の彼女とすれ違ってたんですか?」
「うーん、まあ、そうだな」
歯切れが悪い言い方をする昴さん。
元カノ……昴さんに、戦闘機パイロットは早く死ぬかもしれないからと告げた非常識な元カノ。そんな元カノと一緒にされたくはない。
ジムから出て、昴さんは私の家の近くまで送ってくれた。
「じゃあ、また」と、去ろうとする昴さんの服の裾を掴み引き止める。
「昴さんスミマセンでした。私、これから勝手な思い込みで、昴さんの気持ちを決めつけたりしません。これからはなんでも言います」
――私に恋愛経験は全然ないけれど、ちゃんと向き合っていきたい。これが、私が今答えられる精一杯の返事だ。