毒舌な航空自衛官は溺れる愛を捧げたい
「俺もなんでも言う」
腕を捕まれ抱き寄せられた。
そして、「柏はかわいいなぁ」と、私に嬉しさ見せる昴さん。ドキドキする。駄目た、どんどん好きになる。好きを一つ一つ噛み締めていると、
「果林??」
すぐ近くで私を呼ぶ声が聞こえた。
この声は……! 急いで昴さんの腕の中から離れて顔を上げる。声がした方向を見るとお母さんが立っていた。
「…………お、おかあさん」
ヤバイ状況を見られてしまった。
抱き合っているところを見られてしまうと、もう、ただの上官ですなんて言い逃れはできなくなった。
お母さんは昴さんに目を向け、またすぐに私を見た。見れば分かる。付き合っているのかどうか、目で訴えかけている。
昴さんはうちのお母さんに向かって一礼した。
……ヤバイ。この状況、いち早くなんとかしなくては。慌てて昴さんに「送ってくれてありがとうございました!」と急かすも、昴さんはお母さんを見て動こうとしない。
帰り辛いのは分かる。でも、帰ってくれなきゃ困る。
「えっと……果林、彼氏?」
「え!? ええっと……『初めまして。果林さんとお付き合いをさせてもらっている久藤昴です』
ええっ!?
口を挟んできた昴さんに慌てて目線を戻すと、彼氏と聞いて機嫌が良くなったお母さんは「ウチに上がっていってちょうだいー」と、昴さんを招き入れた。