毒舌な航空自衛官は溺れる愛を捧げたい



 何でいつもいつも余計なことしか言わないの。なんでもっと人の気持ちを考えてくれないの……

 私、昴さんに嫌われたくないのに……

 お母さんが口を開けば開くほど、私が好きだと言ってくれた昴さんが遠くに行ってしまいそうで、目に涙を溜めながら必死に堪える。

 私、嫌われたくない。お願いだから嫌味ったらしく言わないでよ……

 昴さんの顔を見ることができずに下を向いていると、ポンと優しく背中を擦られた。

「――確かに、パイロットになれる人はほんの一握りですよね。でも、その夢に向かって頑張りたいと努力をしていた果林さんは素敵だと思います」

 ……昴さん。

「で、でも、いくら好きだからって、限度があるでしょう? なんでも頑張ればいいってものじゃないわよね? ましてや戦闘機のパイロットだなんて……」

 一生懸命、昴さんに同意を求めるお母さん。

 さすがにマズイことを言ったと思ったのか、身振り手振りで、さっきよりかは柔らかい口調になっていた。それでも、昴さんは表情を変えない。

「俺も高校を卒業して自衛隊を育成する学校へ入隊しました。そこでの訓練は過酷で、まさに1秒たりとも無駄になんてできませんでした」

 昴さんは防衛大学生の頃の出来事を、ゆっくりとお母さんに話し始めた。

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