毒舌な航空自衛官は溺れる愛を捧げたい
「申し遅れました。小松基地で任務を遂行しております、F-15を操縦しているイーグルドライバーです。……戦闘機のパイロットです」
「せ、戦闘機……」
「今はワケあって一週間の休暇を頂いてこちらに戻っております」
「…………はあ」
「あと、お母さん。俺たちは死にに行くなんて思ったことはありません。今ある青い空を精一杯守っているだけです」
それだけを言い残し、「では、失礼します」と、立ち上がると玄関の方へと歩き出した。そんな昴さんの後を追いかけるように、私も玄関を出る。
冷たい、ひやりとした風が頬にあたる。
私がお母さんに伝えたかったことを、昴さんは全部伝えてくれた。昴さんじゃなきゃ、お母さんは話すら聞いてくれなかった。
「ごめん、多分余計なこと言い過ぎた」と、申し訳無さそうに眉を下げて謝る昴さんに、首を大きく横に振る。
「そんなことありません!」
「果林。勝手言ってごめん。……改めて、俺と付き合ってくれる?」
もちろんだ。「はい! 喜んで」と返事をすると、昴さんは良かったーと、安堵した。
私は昴さんとずっと一緒にいたいし、いれる自信はある。けれど、
「うちのお母さんのことでご迷惑かけるかも……」
――昴さんは違う。
私は、お母さんは自分の親だから無礼なことも我慢ができる。けれど、昴さんは他人だ。
お母さんの無礼な態度に堪えられないかもしれない。