あのスーツ男子はカクテルではなく土の匂い
焦った宗吾さんは立ち上がって、高木さんの口をふさいだ。
「お前余計なこと言うなよ」
うらやましいほど、良いお友達。
宗吾さんの人柄を大切にしてくれる友達。
そして、宗吾さんの幸せを喜んでくれる。
「わたしこそ、よろしくお願いします。これから、色々教えて下さい」
「ああ、もちろん。こいつの黒歴史も含めてそのうちゆっくりね」
「はい、楽しみにしてます」
「ははは、いい子だなー」
「おい、玲奈。お前までいい加減にしてくれ」
高木さんは宗吾さんの背中を叩いて、いなくなった。
「玲奈。さっきはあいつらに言い返してくれてありがとう」
「ううん。ごめんなさい。思いついたら話してしまっていて。何かあったら私のせいにしていいから」