ぼくの話をしようと思う
彼女は、ある日突然、行方不明になった。
ぼくは、彼女のスタッフからも警察からも、疑いの目を向けられた。
だけど彼女がどこにいるのかなんて、こっちが聞きたいくらいだったよ。
ぼくは、彼女のいちばん近くにいたマネージャーを責めた。
早く見つけろって警察に怒鳴ったりもした。
マスコミは、そんなぼくの行動をいちいち記事にしてさ。
世間には気狂いのような目で見られるし、散々だよ。
でも、なりふりなんて構っていられないだろ。
だからぼくは、時間を見つけては、彼女のつながらないケータイに、何度も電話をかけ続けた。
何度も
何度も
何度も
何度も…―
電話をかけた。