ぼくの話をしようと思う
☆
そうして、繭がいなくなった。
ぼくは、脱力感に襲われたよ。
もうあいつを殴る気力なんてなかったし、ぶっちゃけ、どうでもよくなってて。
…気づいたら、泣いてた。
悲しくて泣いているのか、怒りのあまり泣いているのか、自分でもわからなくてね。
わからないんだけど、呼吸をするたびに、吐く息と一緒に涙もあふれ出て止まらない。
…俳優だったときは、思うように泣けなくてさ。
「涙待ち」させてしまうほど泣く演技が苦手だったのに、なんてふと思い出したりして。
その場にへたり込んで、いつまでも泣いてた。
次に顔を上げたときには、あの男の姿もなかった…。
きっと、繭に言いたいことを言えたから、あいつも導かれて行ったんだ。
一方的で、どこまでも身勝手な願いを果たして…。
そうして、繭がいなくなった。
ぼくは、脱力感に襲われたよ。
もうあいつを殴る気力なんてなかったし、ぶっちゃけ、どうでもよくなってて。
…気づいたら、泣いてた。
悲しくて泣いているのか、怒りのあまり泣いているのか、自分でもわからなくてね。
わからないんだけど、呼吸をするたびに、吐く息と一緒に涙もあふれ出て止まらない。
…俳優だったときは、思うように泣けなくてさ。
「涙待ち」させてしまうほど泣く演技が苦手だったのに、なんてふと思い出したりして。
その場にへたり込んで、いつまでも泣いてた。
次に顔を上げたときには、あの男の姿もなかった…。
きっと、繭に言いたいことを言えたから、あいつも導かれて行ったんだ。
一方的で、どこまでも身勝手な願いを果たして…。