私は普通の恋がしたいだけ
目が覚めると、いつもの天井

手に温もりを感じて、視線を向けると、龍治さんが私の手を握ったまま寝ていた

どうやら、泣きながら寝てしまったようだ

久しぶりに見る龍治さん

寝顔までかっこいいなんてずるい

じーっと龍治さんを見つめていると

パチッと目があった

「そんなに見つめられたら、寝れないな」

「見つめてないです、たまたま目があっただけです」

「そっかー」

少しシュンとする龍治さん

か、かわいいんですけど

「怪我は?」

龍治さんにそう聞くと

「大丈夫」

なに?

大丈夫って、嫌な予感

「立ってください」

ベットから、降りて龍治さんの体をペタペタ触る

「嫌だなー小雪のエッチ」

そんなこと言っても止めない

龍治さんのお腹辺りに厚みを感じた

「なにこれ?」

そう聞くと、あからさまに目を反らされる

「別に~」

無理やり、服をめくると

包帯が巻かれていて、血が滲んでいる

「何が別になの!怪我してるじゃん!」

明らかに、傷口も開いてる

「バレた?」

笑いながら、龍治さんは誤魔化そうとしてくる

「座って」

ベットに座らせ、救急箱を出す

血だらけの包帯を取って、血だらけのガーゼも取る

縫われた傷口から血がドクドクトと出てきている

「何で何も言わないの!」

ぜったいにこんなの痛いに決まってる

「イヤー、小雪を見たらどうでも良くなっちゃって」

「良くない!自分を大切にしてよ、」

止血をして、新しい包帯を巻きながら涙が止まらない

「また、泣いてる」

「誰のせいよ!」

龍治さんを睨む

「ごめんって」

そう言いながら、ぎゅっとハグされる

「怖かった…死ぬかと思った、」

本当は強がってただけ、怖くて怖くて仕方なかった

「小雪は死なないよ、俺が守るから
 誰にも、殺させない」

少し凶器じみてる言葉が私を安心させてくれる



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