あなたの傷痕にキスを〜有能なホテル支配人は彼女とベビーを囲い込む〜
二人はキャンドルや雪洞に照らされ、芝生の上に敷かれたヴァージンロードを粛々と歩いた。
同じタイミングで、パーティ会場の中の音楽がウエディングマーチに変わる。
ガラス戸が開け放たれ、二人は入場を果たした。
会場がどよめく。
二人は周囲の耳目を集めながら、先ほどモンスターとエルフとして出ていったドアから再び出ていく。
しずしずと、エントランスの大階段に向かった。何が起こるのかと、客が彼らのあとをついていく。
ハロウィン仕様だったエントランスは白のリボンや花で飾られ、すっかりウエディング仕様となっており、里穂はヴェールの中から目を見張った。
大階段の踊り場には、既に隠岐CEOが二人に宣誓を行わせる介添人としてスタンバイしている。
CEOは顔半分を覆うマスクをつけて、足首までとどくマント姿。
彼もまた、怪しくも優美な姿をしており女性の歓声を誘う。
里穂はドレスの裾をもち、慎吾は一段一段彼女の足元を確認しながら登っていく。
誰かが携帯を取り出すと、一斉に皆動画を撮り始める。そしてSNSで連携しているのか、パーティ会場から次々に人が出てくる。
あっというまに大階段の周りが埋まった。
二人は踊り場まで登りきると、CEOの前で止まった。
「この、佳き日」
隠岐が重々しい口調で口上を述べると、しぃんと辺りが静まりかえる。
「フライマン・シンゴ、貴方はモンスターから人間の慎吾となり、彼女と生涯添い遂げることを誓うか」
「誓います」
凛とした返事に、「あのモンスターの人?」「え、じゃあ花嫁さんは隣にいたエルフ?」というヒソヒソ声が重なる。
「エルフ・リホ。貴女は妖精から人間の里穂となり、彼と生涯添い遂げることを誓うか」
「誓います」
震える声で言った。
「よろしい」
隠岐は満足そうに首肯する。
「この二人が夫婦となること、ここにおられる皆様が証人である!」
CEOはドラマチックに両腕を広げると、高らかに宣言した。
拍手の嵐が沸き起こる。
二階からスタッフがフラワーシャワーを浴びせる。
ウエイターが銀盆に乗せたシャンペンをサーヴィスして回った。
「二人のこれからの幸せに、乾杯!」
CEOの音頭に、居並んだ客たちが一斉に唱和してくれた。
……勿論、柱の影にいた深沢の両親や子供達、そして隠岐一家。
何より、踊り場に花で囲まれた両親の写真が。
「感謝を込めて、花嫁からのブーケを!」
慎吾が陽気に叫び、里穂は客達に背中を向けてブーケを放った。
同じタイミングで、パーティ会場の中の音楽がウエディングマーチに変わる。
ガラス戸が開け放たれ、二人は入場を果たした。
会場がどよめく。
二人は周囲の耳目を集めながら、先ほどモンスターとエルフとして出ていったドアから再び出ていく。
しずしずと、エントランスの大階段に向かった。何が起こるのかと、客が彼らのあとをついていく。
ハロウィン仕様だったエントランスは白のリボンや花で飾られ、すっかりウエディング仕様となっており、里穂はヴェールの中から目を見張った。
大階段の踊り場には、既に隠岐CEOが二人に宣誓を行わせる介添人としてスタンバイしている。
CEOは顔半分を覆うマスクをつけて、足首までとどくマント姿。
彼もまた、怪しくも優美な姿をしており女性の歓声を誘う。
里穂はドレスの裾をもち、慎吾は一段一段彼女の足元を確認しながら登っていく。
誰かが携帯を取り出すと、一斉に皆動画を撮り始める。そしてSNSで連携しているのか、パーティ会場から次々に人が出てくる。
あっというまに大階段の周りが埋まった。
二人は踊り場まで登りきると、CEOの前で止まった。
「この、佳き日」
隠岐が重々しい口調で口上を述べると、しぃんと辺りが静まりかえる。
「フライマン・シンゴ、貴方はモンスターから人間の慎吾となり、彼女と生涯添い遂げることを誓うか」
「誓います」
凛とした返事に、「あのモンスターの人?」「え、じゃあ花嫁さんは隣にいたエルフ?」というヒソヒソ声が重なる。
「エルフ・リホ。貴女は妖精から人間の里穂となり、彼と生涯添い遂げることを誓うか」
「誓います」
震える声で言った。
「よろしい」
隠岐は満足そうに首肯する。
「この二人が夫婦となること、ここにおられる皆様が証人である!」
CEOはドラマチックに両腕を広げると、高らかに宣言した。
拍手の嵐が沸き起こる。
二階からスタッフがフラワーシャワーを浴びせる。
ウエイターが銀盆に乗せたシャンペンをサーヴィスして回った。
「二人のこれからの幸せに、乾杯!」
CEOの音頭に、居並んだ客たちが一斉に唱和してくれた。
……勿論、柱の影にいた深沢の両親や子供達、そして隠岐一家。
何より、踊り場に花で囲まれた両親の写真が。
「感謝を込めて、花嫁からのブーケを!」
慎吾が陽気に叫び、里穂は客達に背中を向けてブーケを放った。