たとえ夢幻(むげん)の恋だとしても

いつもの日常


ピピッピピッ


「ん〜……」


枕元にあるスマホのアラームに起こされた私は、スマホの電源を入れて時間を確認する。


「7時50分か…」


そう言ってもう一度眠りにつこうとする。
が……


「7時50分?!やばい、遅刻しちゃう!」


部屋の扉を勢いよく明けて階段を駆け降りる。


「ちょっと日菜!静かに降りなさい!」


いつも寝坊してしまうのと、こうしてお母さんに怒られるのも小笠原家の毎朝の恒例。


お父さんも弟の景(けい)も最初は迷惑そうにしていたけど、今では完全無視。

迷惑はしてると思うけどね。


顔を洗って歯磨きをして制服に着替えるために今度は階段を駆け上がる。


「こら日菜!何回言ったらわかるのよ!」


そう言ってまたお母さんに注意される。
けどそれに返事する時間もない。


「日菜!朝ごはんいらないのー?!」


玄関で靴を履いている私に向かって母がキッチンから話しかける。


「いらなーい!いってきます!」


玄関のドアを勢いよく開けて家を出る。


ここまでが私のいつもの日常だ。

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