たとえ夢幻(むげん)の恋だとしても

私、小笠原 日菜(おがさわら ひな)はS高校に通う2年生。


なんと今日は2学期の始業式。


流石に今日は遅刻できないな、といつもより急いで学校に向かう。


部活は弓道部で体力はあまり必要ない部活だけど、こうして毎日走って学校に行っているせいか体力はけっこうある。


前を歩いている友達を見つけてその子の元へ走る。


「ゆーき!おはよっ!」


なんとか追いつけた…‼︎


「もー、全然電話に出ないからびっくりしたよ。まさかどこかで事故に遭ってるんじゃないかって思ってヒヤヒヤした!」


そう言って「おはよう」と言う前に私の心配をする親友。


「ごめんごめん!でもなんともなかったからよかったでしょ!」


「そういうことじゃないの!日菜はどれだけ私の寿命を縮めたら気が済むのよ。ほんとに…。」


彼女は上城 雪(かみじょう ゆき)。


中学校の時からの私の親友。


見た目はすっごくキュートなのに性格はけっこうサバサバしててギャップの擬人化って感じ。


中学校の時クラスに馴染めなかった私に雪の方から話しかけてくれた。


あの時は天使が舞い降りたかと思った。


それほど印象に残る顔や性格の持ち主。


「…な、日菜!なにボーっとしてんの!早く行かなきゃ!」


そう言って2人で学校へ向かう。
< 3 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop