地味系男子が本気を出したら。
「え……」
今、なんて……?
「本当は、もっと前から好きだったの…。
でも、勇気がなくて言えなかった…どうしても自信がなくて…あなたに嫌われるのがこわくて…」
桃は泣きそうな表情で、声は震えていた。
「あなたは自分を卑下するけど、いつも優しくて思いやりがあって、周囲のことをよく見てる。
誰よりもカッコよくて素敵だと思う…!」
震えていたけど、真っ直ぐ僕を見て一生懸命伝えようとしてくれているところが、たまらなく愛おしいと思った。
「…だから、あなたの隣に立つ自信が持てなかった……。
でも、大志と一緒にいるのは楽しい、他の子に譲りたくないって思ったわ。
大志となら…、恋をしてみたいって……だからっ、」
咄嗟に腕を引っ張り、彼女を強く抱きしめた。
僕の胸にすっぽりと収まってしまうのが、また愛おしい。
「桃、好きだよ」
「…っ」
「何度も言うけど、どんな君でも大好きだ」
「うん…っ、私もよ……」
ぎゅっと抱きしめ返してくれる手が、少しだけ震えていて。
もっと強く抱きしめた。
「僕の彼女になってくれますか?」
「…はい…」