婚活
助手席のドアを開けて外に出ると、潮の香りがいっぱいに広がっている。あっ、ここは……。振り返ると、和磨がすぐ後ろに来ていた。
「ヨッ!」
「ひゃっ」
和磨が後ろから抱き上げ防波堤の上に私を座らせると、自分もその隣りにジャンプして座った。
和磨……。
「前にもここに来た事あるのを覚えてるか?」
「うん」
あの時は、秋の気配がしていた時期だった。そして今もまた、そろそろ秋の気配が感じられる季節に差し掛かっていた。
「夜の海を見ながら、ここでふざけて珠美とキスしたよな」
和磨にキスしようかと言われ、ふざけて交わしたあの夜、遊び半分のつもりで交わしたキスだったのに、いつの間にか和磨を好きになっていて……。
「キスなんか、しなけりゃ良かったよな」
エッ……。
「ふざけてキスなんかして、珠美も俺も苦しくなっただけだっただろ?ずっと俺、ここで珠美にキスした事、後悔してた」
和磨があの夜、私とキスした事を後悔してたって……。
「な、何で?」
「ごめんな、珠美」
遠い昔の事を和磨が謝るなんて、どうして?
「もう忘れよう」
「和磨?」
忘れようって、嫌だ……。私は無理だよ。
結構な高さの防波堤の上から怖さも忘れて飛び降りると、着地に失敗して前のめりに転んでしまった。両手を付いたので顔面からいかずに済んだが、アスファルトに強打した両掌がジーンと痛む。
「珠美。大丈夫か?」
「嫌よ、離して」
後ろから私の腰を持って起こしてくれたが、咄嗟に腰にまわされた和磨の両手を手で振り払おうとした。
「嫌だね」
和磨が自分の方へ私を向かせ、抱き締めた。
「和磨。離して!和磨は忘れたいんでしょ?忘れたいんだったら、もうこんな事しないで」
「離さないんじゃなくて、俺が珠美を離せねぇんだよ」
「えっ?」
「あの時、ふざけてキスなんかしなければ良かったんだ。正直に自分の気持ちを珠美に伝えれば良かったんだ。だからもう、あの時の事は忘れたいんだよ」
「和磨……」
「珠美に理解を示したフリをして、格好つけて別れたりして……。それでも俺はずっと後悔の毎日だった。だからもう、珠美を離せねぇんだよ」
和磨がずっと後悔してた?後悔してたのは私だけだと思ってた。和磨もずっと別れたあの日から、後悔の毎日だったなんて……。
「珠美」
「えっ?」
和磨が真剣な顔をして私を見ている。
「和磨。私……」
「ヨッ!」
「ひゃっ」
和磨が後ろから抱き上げ防波堤の上に私を座らせると、自分もその隣りにジャンプして座った。
和磨……。
「前にもここに来た事あるのを覚えてるか?」
「うん」
あの時は、秋の気配がしていた時期だった。そして今もまた、そろそろ秋の気配が感じられる季節に差し掛かっていた。
「夜の海を見ながら、ここでふざけて珠美とキスしたよな」
和磨にキスしようかと言われ、ふざけて交わしたあの夜、遊び半分のつもりで交わしたキスだったのに、いつの間にか和磨を好きになっていて……。
「キスなんか、しなけりゃ良かったよな」
エッ……。
「ふざけてキスなんかして、珠美も俺も苦しくなっただけだっただろ?ずっと俺、ここで珠美にキスした事、後悔してた」
和磨があの夜、私とキスした事を後悔してたって……。
「な、何で?」
「ごめんな、珠美」
遠い昔の事を和磨が謝るなんて、どうして?
「もう忘れよう」
「和磨?」
忘れようって、嫌だ……。私は無理だよ。
結構な高さの防波堤の上から怖さも忘れて飛び降りると、着地に失敗して前のめりに転んでしまった。両手を付いたので顔面からいかずに済んだが、アスファルトに強打した両掌がジーンと痛む。
「珠美。大丈夫か?」
「嫌よ、離して」
後ろから私の腰を持って起こしてくれたが、咄嗟に腰にまわされた和磨の両手を手で振り払おうとした。
「嫌だね」
和磨が自分の方へ私を向かせ、抱き締めた。
「和磨。離して!和磨は忘れたいんでしょ?忘れたいんだったら、もうこんな事しないで」
「離さないんじゃなくて、俺が珠美を離せねぇんだよ」
「えっ?」
「あの時、ふざけてキスなんかしなければ良かったんだ。正直に自分の気持ちを珠美に伝えれば良かったんだ。だからもう、あの時の事は忘れたいんだよ」
「和磨……」
「珠美に理解を示したフリをして、格好つけて別れたりして……。それでも俺はずっと後悔の毎日だった。だからもう、珠美を離せねぇんだよ」
和磨がずっと後悔してた?後悔してたのは私だけだと思ってた。和磨もずっと別れたあの日から、後悔の毎日だったなんて……。
「珠美」
「えっ?」
和磨が真剣な顔をして私を見ている。
「和磨。私……」