君がたとえあいつの秘書でも離さない
 
 匠さんは私を正面から抱き寄せると、顔をじっと見て話す。
 
 「誰だと思う?」
 
 「そんなの知らない」
 
 「助手席に座ってるから確認してみたら?」
 
 「え?」
 
 「君より少し太めだよ。でも、キスはしないかな」
 
 「何それ」

 笑いながら、私の荷物を持つと、手を握って駐車場へ連れて行かれた。

 助手席を開けてくれる。
 
 「ほら、ごらんよ」

 そこには大きなテディベアのぬいぐるみが前を向いて座っている。
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