君がたとえあいつの秘書でも離さない
「何これ?可愛い!」
私はぬいぐるみを抱えて正面からよく見た。
結構古いモノのようだ。
でも触り心地が良い。
上質のぬいぐるみなんだろう。
「さあ、座って一緒にね」
彼はウインクすると、私を助手席にぬいぐるみと一緒に押し込んだ。
私は膝にぬいぐるみを乗せて座る。
「こいつはね。僕が三歳の誕生日に母がイギリス公演のお土産に買ってきてくれたものだよ。テディ君って言うんだ」
「匠さんってセンスゼロ。そのまんまのネーミングじゃないの」
「名前はそのままだからこそいいんだ。とにかく、テディ君は俺のお気に入りになった。小さいときは一緒に寝てたくらいだ。最近は部屋に置くのも恥ずかしいから、車が指定席だった」