君がたとえあいつの秘書でも離さない
 
 やっぱりこうなった。
 
 私はデスクの目の前で、めまいを起こした。
 目の前のデスクにとっさに手をついて、しゃがむ。

 「あっ」

 「どうした?」

 彼はデスクから出て、私の横に来ると、肩を抱いてソファへ誘導した。

 「病院には行ったんだろ?何だったんだ?」

 「まだ、検査中です。でも痩せすぎで、心因性も疑われて、環境を変えることも勧められました」

 「……しばらく休めばいい。そうすれば落ち着く。匠さんも、君の前から近々消えるだろう」
 
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