君がたとえあいつの秘書でも離さない

 「遙なしで海外に行くのか?いつ、追いかけてくる?心配で仕事が手に付かない」

 「馬鹿ね。大丈夫よ。私のこと知ってるでしょ」

 「柿崎を残して行くから、何かあればあいつに連絡しろ。いいな」

 「はいはい。身体に気をつけてね」

 「それは、遙だろ。もう、会社には行くなよ」

 「もう、どうしちゃったの?過保護なお父さんみたい」

 「うるさいぞ。お父さんでも何でもいい。あー、心配だ」

 「よく言うわよ。最近まで連絡絶ってた人が何を言うのかしらね?」

 「……すまない。遙。本当にすまない」

 「だから、今度は貴方の番よ。しばらく、連絡がなくても我慢して、私を信じて待っていてね。そうやって私も貴方を待っていたんだから」
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