君がたとえあいつの秘書でも離さない

 「匠さん。私が言うことではありませんが、本当に申し訳ございませんでした。ボスが堂本を追い詰めようとしていることは気づいていたのに、何も出来なくて。あげくに、親友まで苦しめてしまって」
 
 皐月は私達に頭を下げた。
 
 「皐月さん。遙が妊娠してからずっと支えてくれていたことは聞いていました。本当にありがとう。感謝しかない。会社のことは俺の力不足もある。気にしないでくれ」
 
 「はーかっこいいわね、匠さん。ねえ、あなたも頑張って」
 
 「……皐月。お前、今晩覚えてろよ」
 
 そう言うと、人目はばからず抱き寄せて頬にキスしてる。
 恥ずかしがってひっぱたいてる皐月がかわいい。真っ赤だよ。
 なんだかんだいって、いい夫婦になりそうね。直也さんと皐月。
 慎重でいて大胆なところもある皐月には天真爛漫な直也さんがピッタリだわ。

 「そうだ、遙。春樹だけど、すごい昇進して最年少で部長になるらしいよ」
 
 「え?本当に?」 
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