君がたとえあいつの秘書でも離さない
 
 「昨日、皐月に連絡したら直也さんは子供同士で結婚させようと企んでいるらしいわよ。堂本を乗っ取る方法はそれが一番確実ですって」
 
 「あいつめ。二人目に女の子が出来てもあいつの所には絶対嫁にやらないからな」
 
 「ふふ。でも年が近いし、皐月と一緒に子育てしていくかもしれないから、幼馴染みにはなってしまうかもしれないなあ」
 
 「面倒くさいな。直也は素直なんだが、子供みたいなやつだから。俺に対して対抗意識があるんだ。それこそ、おもちゃやお菓子を取られたくないというような……」
 
 はあとため息をつく匠さん。
 そうよね、直也さんの強引さと素直さに負けて、あの日同席したことから始まった関係だから。
 
 「そういわないで。直也さんの強引さで出会ったんでしょ?感謝しないとね」
 
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