雪降る夜はあなたに会いたい 【上】
これからのことを思うと頭が痛い。でも、俺がまず考えなければならないのは、雪野のことだ。
すぐにでも、宮川氏から父に話しが行くだろう。雪野を守るためにも、とにかく雪野と話をする必要がある。
スマホを取り出し雪野の番号を表示させようとした時、雪野からメッセージが届いてるのに気付いた。
見合いが始まってからは、スマホの電源を落としていた。凛子さんとの話し合いを父に邪魔されたくなかった。
受信時刻は、あの河川敷で会う少し前だ。すぐにそのメッセージを開く。
”いつこの関係を終わりにすべきか、ずっと考えていました。
私も大学を卒業します。今が潮時だろうと思いました。
もう、創介さんとは会いません。
直接伝えずにごめんなさい。
創介さんと過ごした時間はどれも楽しかったです。
これまで、ありがとうございました。どうか、お元気で。"
雪野は既に別れを決めていたのだ。
焦る手で雪野の番号を表示させる。何度呼び出し音が聞こえて来ても、雪野の声を聞くことは出来なかった。
『私はあなたを選ばない。ここから先は、私たちにはなかった。ここで終わりです』
強い意思を滲ませた眼差しだった。でも、そう言った時の雪野の目に、確かに涙が浮かんでいた。
雪野の流した涙の意味を信じたいと思った。
そして、雪野にとっての別れが、どうして今だったのか。その意味を考える。