雪降る夜はあなたに会いたい 【上】


 こんな、何の特徴もない身体を、まるで大事なものでも扱うように触れる。ざらりとした熱い舌が私の肌を滑り、それが身体の中心にたどり着く。驚きのあまり身を起こそうとした。

「や、やめて……ください……っ!」
「だめだ。ちゃんとしておかないと、死ぬほど痛いぞ」

脚を閉じようとしても、何の意味もない。
私の脚の間に入り込んだ大きな身体は、そこに固定されているかのように動かない。

「でもっ、そんなとこ、はずかし――」

死ぬほど恥ずかしい。そんな場所、自分でだって見たことはない。耐えられないほどの羞恥心が自分を襲うのに、この人から与えられる快感にはしたなく身体を揺らす。

「恥ずかしいことなんて何もない。俺の手で、おまえがよがるのを見ると、俺もどうにかなりそうだ」
「そ、そんなこと……っ」

私の中心を押し広げて行くように入り込んで来る指が、痛み以外の感覚も連れて来る。
指とは違うぬるりとした感覚に、びくんと身体が跳ねた。慌てて身体を反らす。

「な、何して……だめ、ですっ、や……っ!」
「快感だけに集中しろ。他のことは考えるな」
「あぁっ……!」

彼から吐き出される掠れた声も、彼の切なく歪められていく表情も、その何もかもが私の身体と心を締め付けて行く。

 私なんて簡単に覆ってしまう大きな身体がのしかかって来て、その重みと温かさが肌に伝わる。

「出来る限り、力を抜いてろ……っ」
「あ……っ、はぁ」

身体の真ん中を、熱く硬いものがゆっくりと少しずつ確かめるように入って来る。
それでも、痛みが私を突き抜けて。張り詰めたような圧迫感と痛みに、大きな背中に必死にしがみついた。

 勝手に目尻から熱いものが流れ落ちて行く。ぴたりとくっついた彼の胸が温かくて、辛いのに心の奥がじんとする。

きっと、一晩限りのこと――。

そう頭の片隅でもう一人の自分が言っていた。そうだとしても、それでもいいと思った。

繋がりながら、止まらない涙を彼の唇が拭う。そして、私が顔を歪める度に何度もキスをした。

「……雪野」

きつく抱きしめながら、私の名前を零した。
初めて名前を呼ばれて、私はまた涙を溢れさせた。

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