雪降る夜はあなたに会いたい 【上】
私の呼吸が落ち着くまで労わるように抱きしめられた後、少し掠れた甘い声が耳に届いた。
「もう、酔いは醒めたな……?」
「えっ?」
酔いなんかもうとっくに醒めているけれど、創介さんの意図することが分からなくてその目の奥を探る。
そんな私に構わず全裸のままの私を抱き上げると、そのまま露天風呂へと連れて行った。
「創介さん、自分で……」
有無を言わさず、私の身体に熱すぎない程度のお湯をかける。こんなことまで創介さんにさせている自分が、いたたまれない。
「いいから、俺にされるがままになっていろ」
再び私を抱き上げると、湯舟の縁へと腰掛けさせた。
仕方なく、そろりと湯船につかる。
そこからこっそり創介さんを見上げると、浴衣を脱ぎ始めたから思わず目を逸らした。
薄暗いとは言え、露天風呂の傍に灯りがある。そのせいで、がっしりとした身体の輪郭は見えてしまうわけで、咄嗟に視界から消す。
そんなに大きくもない湯舟の中で、片隅で身体を小さくした。
「二人しか入らないんだ。そんな隅にいるなよ」
「でも、一緒にお風呂なんて、恥ずかしすぎます」
何度も抱き合っているとは言え、裸体のすべてをちゃんと見たことなんてない。こんな状況、これまで一度たりとてなかったのだ。
「今更だろ? 俺は、おまえの身体は隅々まで知ってる」
「私は、知りませんからっ」
創介さんはなんの遠慮もなく私の傍へとやって来て、私の身体を捕らえた。私の肩を抱き寄せて、結局またその広い胸と腕に包まれている。