これが恋だなんて、知らなかったんだよ。
ゲームセンターを出るギリギリ、騒がしい騒音のなかでも私だけに伝えてきた。
地獄のダブルデートだと思っていた今日は。
なぜかすごく満足感があって。
それは1人じゃないんだって実感できたから。
「でもさあ、なんかナツくんと一ノ瀬先輩もすっごくいい感じだったよねえ~」
高田さんの“も”という言葉には、悪魔が住んでいる。
わざと言っているの…?
それは嫌味なの…?
と、ひしひし心から飛び出しそうになる。
「そーいう意味では、もしここのカップルが入れ替わっても違和感ないくらい!」
ちがう、高田さん自体が悪魔なんだ。
どうしてそんなことが言えるの。
どんな気持ちで言っているの。
あなた達が放課後、渡り廊下でしていることを私と三好くんは見ているんだから。
「そう思わない?ねえ勝吾先輩」
そこで勝吾くんに振るんだ…。
そしてもう、隠す気もないんだって呼び方。
「いや、俺は桜乃と別れる気はねーよ?」
主導権は俺が握ってるからな、と。
なにそれ。
勝吾くん、すごく気持ちが悪い。